18番地の蟹さん

蟹が見たサッカーの感想をはじめとした諸々の雑記。たまにアニメとアクション映画。個人的なメモとして。

J3リーグ2016シーズンを終えての福島の選手達の感想

J3リーグも終了ということで選手個々の感想を勝手気ままに書いておこうと思います。

あ、レンタル組はレンタルバック、その他11月21日時点で発表が無かった選手については来シーズンも残留の前提で書いてます。

 

GK

21番 岡田大

出場なしなのでなんとも評価しがたいんだけど、GKってそういうポジションだしね。息が長いポジションではあるからもう一度奮起してほしい。

 

33番 植村慶

今シーズンをもって現役引退。ホーム最終戦でみせたセービングからしてまだまだ通用する実力はあると思うけども、そこは本人の決断を尊重したい。クリーンシートは少なかったもののGK陣の中では一番安定感があるし、よく通るコーチングと飛び出しの判断の早さは素晴らしかった。現役お疲れ様でした。

 

34番 内藤友康

ノってるときのビッグセーバーぶりは健在。ハイボール処理は植村より良いかもしれないけどちょっとレスポンスの低下は気がかり。もっと波を少なくしていく必要があると思う。

 

DF

2番 岡田亮太

CBの主軸として常にレギュラーを確保。14シーズン以来の左SBにも対応。副主将にも任命されDFリーダーとしての成長が望まれたが、DF陣の統率はあんまり出来てなかったし、カバーリングや相手に食いついて引きずり出される癖も改善は必要。若干停滞感のあるシーズンとなった。キックはうまいし身体も頑丈だし空中戦も強いので、ここでもう一皮剥けて真のDFリーダーになってもらいたいところ。

 

3番 野田明弘

右SBとしてなんだかんだレギュラーになったものの契約満了。ここ数年で一番試合に出られてないけど攻守に安定感が出てきたし、オーバーラップが増えて効果的なプレーも多かった。全体のバランスをとりつつうまく攻撃参加するようになり、得意のクロスから何度もチャンスを生み出すだけでなく、対人守備にも強かった。チームを引っ張ろうという姿勢も随所に垣間見えたため、飛躍のシーズンだったと思う。一応セットプレーのキッカーもたまにやったけどそんなに精度は高くなかったと思う。正直計算できるSBだったので退団は痛いと思う。

 

4番 戸川健太

今シーズンをもって現役引退。一部報道によると右目が不調なんだとか。身体能力やスタミナ的に厳しいところが出始めていたもののCBとしてそこそこに出場。しかし熟練の守備技術やポジショニング、カバーリング、ラインコントロールはどれも素晴らしく、CBとしてこれ以上無いお手本だった。ポルトガル語を喋れることからブラジル人選手達をチームに馴染ませ、よく面倒も見た。引退後は代理人業に就くとか。現役お疲れ様でした。

 

17番 酒井高聖

本職はCBだが右SBで起用される。果敢な攻撃参加から野田の放物線を描くクロスとは違う、低く直線的弾道のクロスを武器に活躍。もっと強気にクロスを入れていっても良かった気はする。しかしながら守備とかポジショニングがからっきしで相手に狙われるケースが多かった。CBがSBやって守備力が足りないってのもどうかとは思うけど、まだ20なのでまだまだこれからに期待。

 

23番 パウロ

高さ、強さ、速さ、リーチの長い脚、しっかりしたキックの精度を兼ね備え、瞬く間にCBのレギュラーに。特に1対1や単純な空中戦では無敵の強さを発揮した。しかしDFライン間での言語の不自由とかポジショニングのまずさとか集中を切らしやすいとかで危なっかしいシーンもそれなりにあり、終盤はポジションを失う。ただ、圧巻の身体能力やリーチの長さにものを言わせた守備はエンターテインメントとしては最高だったし、流れが悪いと見るや中央を炎のオーバーラップで駆け上がり盛り返そうとするなど、見ていて一番面白い選手だったと思う。

 

25番 杉野健斗

終盤にCBのレギュラーを確保。上背が無いも部分は戸川っぽい身体の当て方とかでカバーし、かなり頑張ってはいたけど強さには物足りなさがあるしアジリティも大したことないのはちときつい。正確なフィードやビルドアップのセンスは大きな武器だけどもCBとしてはもっと強さかラインを統率する技術が欲しい。

 

26番 小山内貴哉

開幕前に重傷を負ってそれ以来ベンチ入りも一度のみで出場なしなのでどういう選手か全く分からない。正直高聖みたいな急造SBに後れを取るのはよろしくないし、誰にでもチャンスを与える監督の方針からしても使ってもらえないってのは厳しいのでは。 

 

28番 福岡将太

左SBを務めたが茂木とのポジション争いには最後まで勝てなかった。身体能力の高さを駆使したドリブル突破や果敢なオーバーラップは迫力があったが、クロスが非常に残念であまりチャンスにつながらなかった。守備面もマークの甘さやポジショニング、クリアの雑さがあったのは否めない。若いし、ドリブルでの打開力はかなりあるのでクロス精度の向上と守備面の改善さえできればJ2以上でも十分活躍できる。

 

39番 梅井大輝

CBが本職ながらボランチでの起用やパワープレー要員としての出場が多く、CBでの出場は1試合くらいだった。終盤にはCFに固定されるなどポジションを転々とした。 足下の技術がそれなりにあるのと194cmという高さがどのポジションでも攻守に活かされたし、そういう明確な武器に加えてセンターラインどこで使っても一定の活躍が出来たと言うことは評価出来ると思う。出来ればもっとヘッドでのゴールが欲しかった。

 

MF

5番 渡辺匠

ボランチとして守備に走り回りそこそこにボールを捌き味方を鼓舞する。ボランチとしてはもう少し展開力が欲しかった気はするけど守備に強さがあるボランチは貴重だった。攻撃参加するときも良いところに顔を出すんだけどシュートとかパスがそこまでうまくもないのであんまりか結果はついてこなかった。味方に指示を飛ばし、鼓舞する姿勢は素晴らしかった。とにかくこういう熱い人は大事にしたい。

 

6番 鴨志田誉

トップ下から無尽蔵のスタミナを武器に相手をとにかく追い回してプレスをかけ続け、マイボール時には裏に飛び出して高い位置に起点を作り続ける。夏の日差しが差す30度くらいの試合の終盤でも高速でプレスをかけ続けるダイナモぶりはとてもベテランとは思えない。しかしながら技術的にはそんなに高くないので終盤にはポジションを失う。正直鴨ちゃんにゴール、アシストが継続的に出来る技術があたらこのカテゴリにはいない選手だしね。それくらいスプリント回数は化け物じみてた。

 

8番 石堂和人

序盤はボランチだったものの途中から14シーズン以来のウイングにコンバート。高精度のパスとキープ、果敢にゴールを狙う姿勢で常にレギュラーとして活躍した。股関節骨折で10試合ほどを欠場したが、勝負所を見極めたプレーが卓越しており、何度も決定的な仕事をやってのけ、正確なキックで次々チャンスを演出した。スタミナに少し不安は出てきてはいるがまだまだ老け込まない。主将としてもチームをまとめ、若手の兄貴分の役割もこなした。

 

10番 金功青

トップ下やウイングで出場。高精度の左足のキックと気迫のプレスで存在感を示したもののレギュラーにはなりきれなかった。正直もう少し決定的な仕事をして欲しかったところ。判断早くしていかないと難しいかなあ・・・何度も言うけど左足のキックの質は高い。

 

14番 星広太

自他共に認める感覚プレイヤー。ウイング、トップ下を主戦場に絶対的レギュラーとして活躍。シュート練習に磨きをかけてリーグ折り返しまでに5ゴールをあげたもののその後無得点。期待の選手だから厳しめに言わせてもらうけど、流石にこれはいただけない。チームでも数少ないドリブラーとして切り込み隊長としての役割はこなしたが対策されて無力化される場面も多かったし、後半戦になるにつれてトーンダウンしたのはプレーが一本調子なところを見抜かれたからだと思う。ステップアップにはもうちょっと活躍が必要か。クロスの精度や球離れ早くするとか、ドリブルシュート以外のプレーの幅を増やしたい。

 

15番 村岡拓哉

ウイングとしてそれなりに出場機会を得たものの契約満了。ゴール、アシストといった結果が残せなかったのが痛かった。ロングスロー意外にも巨躯を利した馬力のあるドリブルで縦への推進力を生み出し、そこそこ高めな足下の技術を駆使したキープやクロスは光ったが、フィニッシュに絡むには精度が足りなかった。相手の寄せを苦にしないドリブルは見所があったので退団は残念。

 

20番 前田尚輝

ボランチの絶対的レギュラーに定着。展開力やチャンスメイクには天才的センスがあったし、ドリブルもパスも高い技術を持ち、ルーズボールに詰めたり攻守に顔を出したりと運動量も非常に多かった。しかし対人守備に強さが無いのは何とかしたいところ。本人は球際かなり頑張ってくれてるけどボール奪取出来ないことには上のカテゴリで使ってもらえなさそう。攻撃面は圧倒的なセンスを持っているだけにもう一つ成長したい。

 

24番 蓮沼翔太

序盤は全く出番が無かったものの夏場以降ウイングのスタメンに定着。右足の高精度のキックやフリーランでスペースを突く動きは光るものがあった。個での打開力に物足りなさはあったが福島の次代のチャンスメイカーとなれる技術は十分に有り、あとはもっと強気でゴール前にボールを供給したり継続性が身につけばもっと化けられる。守備のポジショニングとか対人プレーはかなり危なっかしいのでそういうとこの修正も含めて来シーズン以降に期待。

 

27番 橋本拓門

ボランチで序盤戦と終盤戦以外はスタメンに。攻守に的確にポジションを取り、ボールを広域に散らせる選手なのだが今シーズンはふわふわしたプレーが多くキレがなかった。運動量も多く、ラストパスも良いものがあるのだが結果的にあまりアシストには繋がらなかった。セットプレーのキッカーも務めたが直接ゴールを狙うキックについては要改善。中堅の年齢なので来シーズンこそボランチのファーストチョイスになれる活躍を期待。

 

FW

7番 茂木弘人

左SBをメインに右SBにも対応。SB以外での出場はなし。左右どちらの足からも高精度のキックを繰り出しSBながらゴールとアシストを多く記録。しかしながら周りをよく見ないで雰囲気でバックパスしてピンチを招く場面が少なくなかった。対人守備には円熟味があったもののオーバーラップする隙を突かれることもままあった。サイドアタッカーとしてはまだまだ切れ味があるのでベテランとして福島をプレー面で引っ張って欲しい。

 

9番 アレック

CFとして強靱なフィジカルによるポストプレーととにかくシュートまで持ち込もうとするプレーで攻撃を活性化した。7月までは戦術理解に難があったが初ゴールをあげてからは味方をうまく使いつつゴールに迫るプレーが増え、守備もちゃんとやるようになった。何気にプレスからのボール奪取がうまいし、特別巧さや速さは無いがスペースさえあればドリブルでゴールめがけて突撃するプレーは持ち味だった。しかしながら187cm82kgのガタイから繰り出すとは思えないほどショボいシュートの下手さは要改善。2得点という結果もちときびしい。重戦車FWの素質はあるのでまずシュートを磨くこと。

 

 

11番 金弘淵

CFとして福島のエースと期待されたがゴール数、出場数共にキャリアワーストで契約満了に。チェイシングとかポストは悪くなかったけど2得点ではいただけない。他のFWに比べるともっとがむしゃらにシュートを打つべきだったと思うし、活かせるチャンスも多かったはず。FWとしてのセンスはあるだけにもっと泥臭くプレーできればまた違ったと思うんだけど・・・ひとまずは4年間ありがとう。違う環境でもう一度輝きを取り戻してください。

 

22番 ロドリゴ

CFのファーストチョイスだったものの靱帯と半月板損傷でリーグの半分を離脱。 正直いくらそんなに点が取れるタイプじゃないとはいえノーゴールはいかんでしょ。とはいえチェイシング、サイドに流れてのポスト、裏抜け、ドリブル、チャンスメイクをどれも高いレベルでこなせるFWはロドリゴしかいなかったのも事実。誰よりも正確にタスクをこなしたし、シュートが残念という事以外はいいFWだった。スポルティングCPで活躍したロドリゴ・チウイよもう一度。

 

40番 樋口寛規

CFでの起用は少なく、ウイングが主戦場だった。守備が結構うまくて、自陣深くまで守備に戻るなど献身性が非常に高かったものの、弊害としてゴール前に顔を出す機会が少なくなってしまった。そうした状況でサポートも満足に得られない中で9ゴールは賞賛に値する。フィニッシャーに専念させれば15ゴールは堅そうなセンスを持っているので来シーズンウチにいるかはわからない。

 

 まあそんな具合で苦しいシーズンだったけどあーでもないこーでもない言いつつ見てられたのは楽しかったっす。

個人的にブラジル人トリオはそれぞれが日本人にはないプレーするから大好きだったし、樋口の本格派ストライカーぶりは素晴らしいものがあったし、石堂の長野戦の決勝弾とかまさにこのクラブのレジェンドと言える活躍だったし、それ以外の選手も一つ一つのプレーに光るものを持ってる選手ばかりだったと思います。最後の部分でそれがかみ合えば、あるいはもっとメンタリティの部分で負けなければ、違う結果が得られたんじゃないかと思うとと歯がゆいものがあります。残る選手は来年には今年以上の飛躍を、去る選手は新天地で花を咲かせて欲しいと思います。皆素晴らしい選手でした。